「はぁ……」


朝の教室、彼女


――谷野朱音(やのあかね)は


目の前に広がる光景に


深いため息をついた。


目の前に立っている少年は


朱音と同じ高校1年生で、


幼なじみの黒川咲哉(くろかわさくや)で、


「またうるさいのにつかまった」


とでも言いたげな視線を


朱音に向けている。