目の前にいたのは眼鏡をかけた 長身の男の人で、 繊細なやさしそうな顔つきをしている。 走っていたらしく、 6月の蒸し暑さのせいもあり、 頬に汗が流れていた。 「こちらこそ、すみませんでした。 ぼうっとしていたもので……」