庭では、雨粒をのせたあじさいが


日に照らされて美しく輝いている。


「紗綾ちゃん」


座ってその雨粒を眺めていたら、


後ろから声をかけられた……


「おじさん!!」


自分の顔がほころんでいくのが分かる。


さっきまでの憂鬱な気分が


嘘のように晴れて、清々しい気分だ。