「あー眠い」
目を擦った。
おかしいな。かなり寝ているはずなのに、疲れが取れない。
ストレスでも溜まってるのかな。
ソファに寄りかかりながら、私は再び眠りにつこうとした。
「こちらにございます、」
「あぁ、ありがとう。」
扉の向こうからする、声。
珍しい。
要の家なんて、誰にも教えてないはずだから、来客なんて来ないはずなのに。
体を起こして、扉の方を見る。
がちゃん、と掛けてあった筈の鍵が開けられた音がして、扉が開く。
「?!」
そこから登場してきたのは、私のストレスの原因、思いもしない人物、“千崎蒼人” だったのだ。
「あぁ、やっぱり居た、梓ちゃん」
「な、なんであんたが・・・・・・・!!」
そいつは、シャツにスラックスと言う仕事帰りな格好で、そのまま歩いてきた。
華やかなオーラが私を蝕む。