この人と生きていけたら。

私はどんなことでも乗り越えていけるかもしれない。

そう思った。



『僕ときみが結婚するには、まずきみのお母さんに好かれないといけないんだ。

だから、僕は頑張って本城の経営を広くして、世界に誇れる会社にして、きみと結婚するんだ。それまで待っていられる?』


優しい要の目が、私を真っ直ぐに見た。

過去にとらわれない、ひたむきに正直な目。



『・・・・・・・待ってる、要・・・・・・・・・』

『勝手に死んだりしたら、許さないからね』


要は暢気に、笑って言った。