がちゃり。

開いた扉の方を見た。



「あぁ、起きたんだね、梓。おはよう」

「要、おはよう」


扉の前に、スーツを着た要が立っていた。

一段と眠そうな顔をしている。



「今日はどこか行くの?」

「うん・・・・ちょっと」


要は欠伸をしながら、ベッドに座った。

そして、ちらりと私を見遣ると、少し笑う。


「要、眠そうだね」

「うん、ほとんど昨日寝てないからね」


誰のせいで、と続けようとした口を塞がれる。

すぐに離れた要は、意地悪そうな顔をして、立ち上がった。


「朝食、持ってくるよ。食べるよね?」

「・・・・いらない。お腹すいてないの」

「梓、そろそろ餓死するんじゃない?食べないとだめだよ」


要は溜め息をついて、私を見る。

よっぽど緑さんよりお母さんらしいや。