「ねぇ要・・・・・・・?」
「ん?」
「私、あの時、絶対に要と死んでやる、って思ったの」
「・・・あぁ、うん」
要が妖艶に笑う。
「・・・・・要は、私に殺されたい?」
要に乗っかったまま、私は彼を見下ろした。
一瞬要は驚いたような顔をしたけど、またすぐに、いつもの要に戻った。
「・・・・誰かに殺されるくらいなら、梓に殺されたいとは思うよ?」
要は私の髪を引っ張り、引き寄せた。
「でも、俺が梓に殺されたら、梓は一人ぼっちだね」
「ん・・・・・・・・・・」
要が私の唇を食べるようにして、自分の唇を重ねた。
「あの日から、もう七年も経ったのに、私の傷は消えなかったわ」
私は手首を見た。
リストカットとかの綺麗な、一直線の切り傷じゃない。
ぐしゃぐしゃに、ただ切り落とす事だけを考えた感じの、傷。
品も何もない。