「噛み痕、だね」


要が傷口にキスを落とす。

小さい痛みが走る。


「・・・・・・千崎さんの?」

「・・・・・・・・・そう、です。」

「なんで?」

「や、私が“なんで?”なの。突然、噛まれたもの」

「千崎さんは犬なの?」


要の冷ややかな視線が私を見下ろす。

それに物怖じしながら、私は要にキスをした。


要の口を抉じ開けながら、私は舌を侵入させる。


しっかり、要の視線が交わる。


(・・・・・目つぶってほしかったな)


そう思いながら、私はそのまま要に体重をかけた。



「・・・・・・・・・ん」


要の細い腰に跨ると、要は私の後頭部を抑えるようにして、キスをした。

熱い吐息が絡み合う。