勉強は続けないといけないし、要にも会えないし、外にも出れないし。
私の人生って、誰のもの?
強欲な人間たちのための“人生”なら、自分で終わらせた方がまだマシだ。
私は、いつの間にか掌に収まるくらいの、父の携帯用ナイフを握っていた。
人間って、血を大量に流すと死ぬんだっけ。
あぁ、今やっと勉強した事が役に立った。
こんな事が役に立つなんて、本当皮肉だ。
手首か足首かを切り落としたら、人間は死ぬかな。
私はベッドに凭れながら、ナイフを手首に当てた。
少し引くと、薄く綺麗な赤色が手首に滲む。
強く押し出すと、皮膚が偏って、ぎり、と嫌な音を立てて、皮膚が裂けていく。
骨は、どうやったら切り落とせるんだろう。
床に垂れた赤色を眺めながら、私はナイフを持ち直した。
冷たい指が、私の頭を撫でた。
ゆっくり、視線を上に上げる。