するりと要の白い指が、私の髪を梳く。 心地良い感触に身を委ねて、要に凭れ掛かる。 「ねぇ要、私はただ、要と一緒に居たいだけなの」 「うん、そうだね。俺もだよ」 少し開いたカーテンから、車やビルの灯りが漏れる。 「・・・・・俺と梓だけ、消えていなくなればいいのにね」 要が私を優しく抱き込んだ。 「・・・・・・・・あのときのこと、覚えてる?」 「あぁ、勿論だよ」 私は瞳を閉じた。