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鏡に映るのは、着飾られた、醜い私。
しっかりと首に残った痕を隠しながら、精一杯笑って見せた。
うん、凛堂梓が出来上がった。
静かになった部屋で、ベッドに倒れこむ。
起きたら要は居なかった。
きっと、自分の家にでも帰ったのだろう。
ここはパーティ会場の空き部屋だから、ここに長く滞在するのも、問題があるんだろう。
これから私は、“千崎蒼人”に会うために、自分の家まで帰らないといけないんだ。
この部屋に広げてある荷物も全部片付けないと。
あぁ、面倒臭い。
要が居ないと、こんなに世界が面倒だ。