「どうしよう、要・・・・・・・・・緑さんが、新しい婚約者を突きつけた、・・・・」


喉から絞るように出た声は、ひどく枯れていた。


「やっぱり、そうなんだね・・、あぁ、梓・・・」


要は私に頬擦りして、そのまま歩き出す。

ようやく落ち着いてきた呼吸を整え、要に凭れた。



「かなめ・・・・・・・」


要は私を憐れむ様な目で見ない。

お義父さんが生きていた頃は、よく苛められた私を見て、憐れむような目で見ていたものだ。



「また、痣ができちゃったね・・・・・」

「ごめんね要、綺麗じゃなくて」

「そんなのいいんだ、梓だったら」


要は私の頭を軽く撫で、また、あの部屋に入っていく。


あぁ、やっと二人だけの時間。



乱れた連鎖は徐々に、おぞましい音を立てながら、崩れていく。