「緑さんはこの婚約を本気で考えてくれてるみたいだよ。家も考えてるみたい」

「そうなの・・・・・、いつも読めない人だから、時々不安になるのよね」

「そうだね・・・・、まだ、分からないよ」


要がベッドに腰掛けて、ふうと溜め息をつく。


「・・・要、疲れた顔してる。・・・大丈夫?」


要は優しく笑って、私の頭に手を置いた。


「大丈夫だよ。久々に夜更かししたから寝不足なだけ。梓は大丈夫なの?」


要は妖しく口端を浮かべると、私に笑って見せた。


「でも・・・・、今日の夕食に梓と話がしたい、って言ってたから・・・・・心配だよ」

「緑さんが?珍しい・・・・・・、」


要が険しい目付きで私を見遣る。


「・・・・・・俺も、行こうか?一人じゃ不安だ」


要は心底心配そうな顔で、私の手を取った。

これ以上、要に心配かけられない。

私は静かに首を振った。