□ □ □
カーテンを開けた。
もう外は、真っ暗になっていた。
すぐに見下ろせる、ありきたりの世界。
今まで眠っていた体を起こして、私は目を擦る。
部屋を見渡しても、要は居なかった。
要、にはもう一つの顔がある。
普段は、好青年で、仕事が出来る、完璧な人間。
それと、私にしか見せない、強欲で、乱暴で、妖艶で、異常な人間。
私は、好青年の要より、狂ってる要がすき。
“化けの皮”を被ってるニンゲンが、一番嫌い。
それは要が、一番嫌ってることだから。
だから、私も嫌い。
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