「・・・・分かった、絶対、無理しないでね」

「うん、分かってるよ。大人しくしてるんだよ?」


息を呑むくらい美しい顔で笑って、要は妖艶な仕草で、私の頭を優しく撫でた。



「梓、愛してる」

「えぇ、私もよ」



そう言って、不誠実な要は部屋に鍵をかけた。

急に包まれた静寂に、私は俯く。



どこから見ても、おかしな関係。



それでも、私を解かってくれるのは、あの人しかいない。

これが、私たちの辿り着いた、愛の表現。