「俺が、梓を離すと思う?」


綺麗に笑う要。


要の、“歪んだ愛”。



要は、私を決められた部屋から一歩も出さない。

そう、一歩も。

部屋に鍵は掛かっているし、窓だってそうそう開けられない。五階の高さからじゃ降りれもしないけど。



要は、私を部屋に閉じ込めておく事が好きだ。

誰にも触れれない、要だけしか開けられない部屋に。



「だって、梓が外に出たら苛められる事を知っているのに、俺がわざわざ出すと思う?」


知ってる。

要が、こんな理由で私を部屋に閉じ込めているんじゃない。


軟禁して、誰の手にも届かない、要にしか触れないところに仕舞って、大事に愛でる。

要は、それが、すきなんだ。



狂って、曲がって、歪んだ愛。