「梓、俺は緑さんのところに行って、少し挨拶してくるよ。それで、色々決める事を決めてくる。いいよね?」
「私も行くわ、だって要一人が緑さんにいびられることなんて・・・・・、」
ひた、と長い人差し指が唇につけられた。
息を呑むくらい綺麗な仕草に、呆然とする。
「梓、君は部屋から出さないよ・・・」
要の薄い唇が、すっと浮かぶ。
「梓は、ずっと俺の側に居れば良いんだ、」
要の細い指が伸びてくる。
自然な動きで、私の顎を持ち上げた。
「・・・・また、私を出さないの?」
「あぁ、そんなつもり、全く無いよ」
綺麗な顔で、要はにこりと笑って見せた。
ぞくり、と何ともいえない感触が背中を掻き回す。