「あ、蒼人、ありがとう」


千崎は目を見開いた。

思わず口から、そいつの名前が転がり出たのだ。


千崎は少し驚いた顔をして、すぐにまたいつもの調子になった。

軽々しく投げキスをして、ウインクまで散らせて、私たちを見送る。


「梓、乗るよ」

「うん」


要を見る。

要は笑ってた。


私もつられて笑う。


青い空が私たちを見下ろす。


あぁ、明日は何が待ってるんだろう。

どんな未来を過ごすんだろう。


見たことがない世界に、そんな思いを胸に抱きながら、私は飛行機に乗り込んだ。



少し狂ってる要と、永遠に終わらない、愛。


終わらせない、愛。







end