唇が重なる。

私は目を閉じることを忘れたまま、そのキスを受け入れた。

要も私と同じ様に、目を閉じない。


視線が絡む。

不敵な笑みが、要から零れる。


「・・・・・・・・千崎さんに抱かれたでしょ」


ベッドに手をついた。

要を見上げたまま、私は頭に疑問符が浮かぶ。


「なんで、わかるの・・・・・?」

「かんたん。梓が動きたがらないのと、あとは手首。」


手首?

私はベッドについた手首を見遣る。


「痣ができてるでしょ?掴まれたみたいな。

きっと、梓は抵抗したんじゃない?」


両手首についた、紫色の痣。

要に視線を戻す。


「梓のことに関して、俺が分からない事なんて無いよ」


にっこりと、要は優しく笑った。