"おはよう"
翌日、私に向かって彼女が言った一言。
久しぶりのあいさつに、少し胸が高鳴った
『おはよう!さっちゃん、』
名前も添えて。
すると、彼女は目を見開き
とても驚いていた。
私はというと、久々に名前呼びして
じーん、と胸が熱くなった
いつぶりだろう。
こんなにもあいさつをしてくれることが嬉しいと感じたのは。
「…名前、」
『え?』
「何て言うの?」
『私?私はね――…』
それから、私は周囲の目など気にならなくなった。
もう、独りぼっちじゃなくなったからだ。
"たった一人"
そう思われても仕方がないかもしれない。けれど、今の私たちにとっては、一緒に居れる唯一の"友達"なのだ。
それからは、クラスは違うが、暇を見つけては彼女と一緒に居ることが多くなった。
彼女は、唯一の救いだった、
――そう…
あの日までは。
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