「…ひっどい顔」





朝、鏡をチェックして、このセリフを言わずにはいられない。



昨日泣きすぎで目がパンパンに腫れている。





最悪…。
ちゃんと冷やしたのにな。




私は結局、昨日も夜通し泣いていた。




別に、泣きたかったんじゃない。


だから……そんな自分に呆れた涙も、ある。







今はまだ、遥翔とスミレに逢っていないから


こんな冷静でいられるんだけど。





2人に逢ったら、笑えるか分からない。




もしかしたら、泣いてしまうかもしれない。





遥翔はきっと、嫌がるだろうな。


……しかも私、昨日の話の流れで行くと、遥翔との約束を守らなかったことになる。




絶対怒ってる。




もう……学校行きたくない。





私はダイニングテーブルの上に無造作に置かれたお金を掴んで、お財布に突っ込んだ。





この前買っておいた食パンを焼かずにそのまま口に運ぶ。


時間はもう8時。





遅刻だ…。


そうは分かっていても、体はなまりのように重く、思うように動かない。




ゆっくりゆっくり、食パンを食べる。



その間も、いろんなことが頭を駆け巡っていた。





スミレのこと

遥翔のこと



これからどうしようか、ということ








…すべて、私が我慢すればいいことだということ。