憧れの女性が生まれたままの姿で俺を求めている。
男なら誰しもが夢に見るようなシチュエーション。
だが、俺はひとかけらの理性に賭けて彼女に言った。
『……あなたが…好きです。
このまま沢森さんを抱き締めて全てを知りたい。
だけど……駄目です。
あなたともし、そうなる時は、本気で向き合いたいんです。
こんな状況では、駄目です』
彼女は黙って俺の話を聞いていた。
『………。
………藤崎……、可愛い』
『……えっ…』
一瞬の出来事だった。
彼女は俺の身体を投げ付けるようにベッドへと放り出すと、その上に飛び乗ってきた。
『沢森さん!』
俺を見下ろす彼女の視線が俺の理性の欠片を奪い去る。
………綺麗な人だな。
……顔も、身体も、その溢れる知性も、正直な生き方も。