私はムカムカとイラつく気持ちを抑えるようにビールを飲み干す。
黄色い声が勇気のいる方向からきゃあきゃあと聞こえる。
くっそ〜…。
……気が付くと…手元にあった酒が全て空になっていた。
……あ。
頭が何となく……重い。
「なあ……千歳…」
ぐらつく頭を横に向ける。
ああ…靖夫か……。
あれ……?私、靖夫と付き合ってたんだっけ。
うん…そうよね。
私の彼は、靖夫よね。
……。
何か違うような…?
違和感……。
「千歳……、二人で…抜けるか?」
え。
うん…そうね。つまらない…。
「……うん。行く」
「よし」
私と靖夫は揃って立ち上がった。
「おっとと。…気をつけろよ」
「うん」
ぐにゃぐにゃしている私を靖夫が抱き抱えるようにして支える。