ふと見ると、勇気の周りには女が沢山群がっていた。

「藤崎さん、どうぞ」

後輩に酒を注がれ彼はグラスを差し出してにこやかに応えている。

「藤崎さんは彼女いるんですか〜?」

「いるよ」

「ですよね〜。じゃあ、二号は?」

「二号?」



「あ、私、立候補します!」

「え、ずるい!私よ!」


「…あ、あの……」


きゃーきゃーと女達は勝手に盛り上がる。

勇気はそれを止めもせずに真ん中で酒をチビチビと飲んでいた。


………何よ、あれ。
信じられないわ。

『俺は千歳以外の女に興味はない!』
くらい、言えないの?