「千歳、やめろ。駄目だよ」

私が足でツンツンしているのを勇気が止める。

「何よ、悔しくないの。
こんなのにあそこまで言われて」

「そういう話をしてるんじゃないよ。
君にはそんな事をして欲しくない」

「………。
……はぁい…」

私は渋々足を引っ込めた。

「………へえ。
何だ、そういう事になっていたのか…」

私達の下から声がして床を見た。

靖夫が起き上がって私達を見上げていた。

「……『ケモノ女』と『冴えない男』がねぇ。
異色の組み合わせだな。

これは要観察だな。
面白い。じっくりと見守ってやるよ」

…………つくづく、最悪。

てめぇは何かのドラマの悪役か!
面白過ぎなのはあんただよ!