――「今日は帰った方がいいよ」
あれから毎日のように彼の部屋へと通いつめる私に勇気が言った。
「…何で。……邪魔なの?」
私が彼を見つめながら答えると彼は困った顔で笑う。
「邪魔なんかじゃないよ。
だけど、毎日こんなだと…。周りの目もあるし」
「だって…。一緒にいたいんだもん」
私が拗ねて目を逸らすと彼は両手を広げて「おいで」と言った。
私は拗ねた事も忘れて彼の胸に飛び込む。
「甘えん坊だなぁ…。
バリバリ仕事してるイメージが段々と薄れていくよ」
私を抱き締めながら彼が言う。
………。
何とでも言えばいいわ。
今の私にはこの場所以上のところなんてない。
……一緒にここに住もう、って、
早く言えよ。
相変わらず彼は、物足りない。