――「……勇気……、ん……」
私達はそのまま、また地下倉庫に入り抱き合った。
彼の指先が、唇が、あの日と同じ動きで私を溶かしていく。
「………千歳…、…」
その声が…私の心に染みては溶ける。
こんな風に恋に落ちたのは初めてだ。
彼の吐息が身体にかかる度にぞくぞくと痺れるような。
「……痛かったら…言って下さい」
「………」
私の身体をいたわる彼の優しさ。
全てに心が締め付けられる。
「………」
彼のネクタイとワイシャツのボタンをすっと外す。
浮き出ている首の筋に口づける。
「…っ……」
彼の息の声が私の胸を苦しくさせる。
私はそのままキュッと吸い付いた。
彼の首に赤く浮いた後が見えて私の心をいくらか落ち着かせる。
私のもの。
誰にも渡さない。