「ねぇ……、欲しいの。
あんたが………」
私は向きを変えて彼にしがみつくと、その先をねだった。
「………駄目です。今はここまで。
…俺を焦らせたお仕置きですよ」
「……え」
「……宮岡さんと随分と仲良しですね。
昨日、見てました。
彼はあなたがどうやら好きみたいだ」
彼は私の身体をそっと自分から離すと私の目をじっと見た。
「……妬いてるの?
あんなのは…どうでもいいのよ」
私の心のベクトルは今はあんたにだけ向いてる。
宮岡や靖夫なんて……霞んで人形にしか思えないわ。
「……ええ。妬きますよ。
あなたが仕事以外の話を他の人とした場合はね。
ましてや相手に下心があれば、いつあなたが俺を捨てるか分からないですから。
……俺は…こんなだから」