藤崎は言ってはいけない事を言ってしまったとでもいうようにバツの悪い顔をする。

…………。

どうしてそんなにオドオドしてるのよ。
誰もあんたを苛めたりなんてしないわよ。

…イライラする。

「……用がないならあっちへ行ってよ。
一人で飲みたい気分なの」

私は彼から目を逸らすと側の椅子に腰かけた。

……「佐野さんと……何かあったんですか」

「……?!」

背後から聞こえた言葉に振り返る。


藤崎は私を真っ直ぐに見ていた。

曇りのない、綺麗な目。

ああ。そうだわ。
……靖夫の目からは、この輝きを見た事がない。