「……もしかして…あんた、
後悔してるの?
私とこうなった事…」
訊きながら思っていた。
もし…『後悔してます』なんて言ったら、
…張り倒してやるわ。
私はこれでも男性社員の間では社内で高嶺の花と噂され、ミーハー専務の企画した社内ミスコンでも優勝した経験のある女なのよ。
あんたなんかがお願いしたって、普通なら無理だと断るはずなんだから。
勘違いしないでほしいわ。
誰にでもこんな風に身体を預ける訳ではないのよ。
――「後悔なんて……。
何だか本当に…夢みたいで…」
彼は私の髪をそっと撫でながら呟くようにそう言った。
……よし。そうよ。その通り。
合格よ。
「……藤崎。さっき言った事…、
…本気だからね。
もし彼女がいるのなら、秒殺で別れてきなさいよ」
「そんな。彼女なんている訳がないじゃないですか」
………だろうね。
「もし、いたら、だよ。
私が今日から藤崎の恋人だからね」
「……はい。」