おろおろと視線を泳がせる彼を見て私はニヤリと笑った。
「ねえ、藤崎。
例え私があんたを喰ったにしても…、一線を越えたことに関してはあんたにも責任があるわよね?」
「…え…っ…」
彼は恐怖の表情で私を見る。
「あんただけが覚えていて、私は知らない。
そんなの、不公平だと思わない?」
「……あの…」
私は彼の腕をガシッと掴んだ。
「……ひっ……」
藤崎はそんな私から離れようと身体を向こうに向ける。
「……逃げるな」
「……う…」
私は彼の掴んだ腕をググッと引っ張る。
「沢森さ……」
「昨夜私にしたことを今からもう一度するのよ」
「え」
「私をもう一度抱いて」
藤崎は目を大きく見開いて私を見た。
………綺麗な目。
くるくると表情が変わる度に色々な輝きを見せる。