「………うん」

「じゃあ行きましょう。
夜風は身体に悪いですから」

ゆっくりと歩き出した彼の後ろを今度は私がついていく。

不思議。
今まであまり話もしなかったのに。
もっと一緒にいたい、と思っている。

会社では上司や部の連中に怒られ通しの彼。
何故、今日はこんなに男らしく見えるのだろう。

………。

あの……目……かな。

私を真正面から射抜くように見た、あの一瞬の輝き。

私に間違いを気付かせてくれた。