しばらくそのまま泣き続けた。
道行く歩行者が私達を興味深げに見ていく。

藤崎は黙ってそんな私の前に立っていた。


やがて……、私が顔を上げると目の前にある顔に笑顔が浮かんだ。

「……落ち着きましたか。
……辛かったですね」


「………」


その笑顔にぼんやりと見入る。

「……沢森さん?」


「藤崎………。
朝まで……側にいてくれない?」

「…え。…ああ。
はい。いいですよ。
じゃあ、どこかで飲み直しますか?」