「千歳!」

辺りがざわめく。

みんな事の成り行きを見逃すまいと私達の動向を見守る。

『彼は女を道具としてしか見ていない!
そこにいる木原さんの場所にいたのは本当は私かも知れないの!
だけど今の私はそんな場所に興味はないわ!
いつ他の女のもとに走るか分からないような夫は嫌だもの!』

私は遠くの隅からぼんやりと私を見ている藤崎にニヤッと軽く笑いかけた。

「!?」

藤崎は首を傾げている。
私が次に何をしでかすのか想像出来ないみたいだ。

私は軽く息を整えると一気に言った。