………。
二人が楽しそうに話すのを黙って聞いていた。
麻衣子の質問に丁寧に答えながら時々赤い顔をする、そんな勇気を私は苛立たしげに見ていた。
やっぱり…変わらないわ。
私と話す時と同じ表情。
同じ目の輝き。
むしろ麻衣子といる勇気の方が自然体にさえ見える。
自分に好意を寄せているのは麻衣子の態度からミエミエのはずなのに、私に対する遠慮や気遣いも全くなし。
私はガタッと立ち上がると「化粧室」と言ってその場を離れた。
………面白くない。
自分で仕組んで二人を会わせて、二人きりにしたくせに怒りが込み上げて吐き気さえしてきた。
何で私がこんな思いをしなくちゃならないのよ。
どうしてあの男は私の思い通りの行動を取らないの?!