『佐野 靖夫さんの第二の恋人だった、商品企画開発部の沢森 千歳です!

私に一言、言わせて下さい!』


……シーン……。

百人近くいる人達全てが私を見て呆気にとられている。

「千歳!よせ!」

靖夫が青ざめた表情で私を見ながら立ち上がる。

私は彼を冷たく見返し、マイクに再び口を近付けた。


『よせ…ですって?
何なの、その言い種は。

まだあんたのオンナだとでも言いたい訳?

冗談じゃないわよ。

私はただ、花嫁さんに教えてあげたいだけよ。
せっかく二股オトコと付き合ったんだから、そのくらいの見返りをプレゼントしてあげないとね!』