『結衣…っ!!』
いきなりの自分を呼ぶ声に泣き腫らした目のまま勢いよく振り返った
ドタバタと走ってくるその声の主。
「陸斗…………」
さっきまで隣に居たのに…
一応隣を確認したけど陸斗はいなかった
良かった…
幻覚じゃない。
「葵見つかったか?……ってお前どうしたんだよ。その目!」
私の近くで止まった陸斗
「ううん。まだ……。あぁ何でもないから気にしないで」
「何でもないわけないだろ!どうしたんだよ!言えよ。それとも言えない?」
陸斗…………
本当に心配してくれてるんだ
陸斗の目がその事を物語ってる
「ううん。本当に大丈夫だから」
嘘ついてごめんね………
「そっか…ならいいけど」
まだ何か言いたそうだったけど理由は聞いてこなかった