『ゴーーール!まさかの大逆転!!』


そんな放送の声さえあたしには聞こえなかった。



やっぱり、侑也様はすごい。

なんでもできて…
恋愛も……


女子にモテてきっと、余裕ありありだろーに。

でもね…


たまに見せる寂しい目。

あたしは知ってる。



「ゆっ侑也!」

あたしは侑也様に近づいた。

でも……


「侑也くーん!すごぉーいかっこよかったよぉー!♪」

「本当本当ー!ほれなおした〜♪」

「マジすげーよ!」

「優勝しかねーだろ!♪」


1−2 万歳。


でした。


あたしの出番はないまま、全員リレーを見ていた。

みんな…

頑張ってるな…。


「…侑也様……」

「呼んだ?」

「…………………」










「ぎゃぁぁぁああぁあぁ!!!!!!」


後ろにはリレーをしているはずの侑也様。

「俺の出番終わったから、来た。」

「そっ…そうですかっ」

侑也様の顔が見れない。

なんか…さっきの事悪かったし…………。

言い過ぎたってか?
(ガリゾー)



「あっあの…「ごめんな…」


へ!???


あたしが喋ろうとしたのを遮られた…。

しかも…


”ごめんな”??????

「な…なんで侑也様が謝るんですか?」

「…キス……したから。」

「なにを今さら……はっ!ついっ……」

口に出してしまった!!。
どうしよー!
侑也様オーラが急に怖くなっちゃったし!


「ごめんな…………」




………





「っ…ん…」


キスをまたされた。


誰か見てるかわかんないのに…堂々とするキス。


「ぷはっ……」

「……罰。」


これが罰なら、何回でも、何度でも受けます♪

って……


「…あたし…さっき、酷い事言ってすみませんでしたっ」

あたしの目的はこれ。
向き合う。
ちゃんと…逃げないで。

あたしは諦めない。

でも、アタックするわけでもない。


地道に好きになってもらえるように……


アピール?



「…許さねーから、今日俺と寝ろ。」

「……はぇ?」

「め い れ い だ!」

「はっはい!ご主人様!」



侑也様はニコリと笑った。