―パーッン―


スタートしたんだ…

侑也様。

1500は辛い(あたし的に)
一人で1500って…死んじゃうでしょ。

トラックの周りを走る
ランナー達。

その中の侑也様。

前を通るたび

「侑也ー!あと8周!」

「負けんなー!頑張れー!」

「侑也、本気だせー!!」


1−2 の皆が侑也様にエールを送っていて…。

あたしも言おうって思っても、毎回言いそびれちゃって…。


「侑也ー!あと一周!!!ファイトーーー!」

あっ抜かされちゃってるから、無理かな……。


って…あたしなにしてんの!?

あたし、応援しなきゃ!

逃げちゃだめじゃん!!!


「ゆっ侑也ー!がんばっでぃっ!!!」


しっ



「しっ舌噛んだーーー!!!!」


痛いっっ!





あ……




しーーーーーーーーーん



「くくくっ、…ったく……しょーがねーな…」

あ…首を触った…


照れてる…

すぐ真剣な顔をして走る侑也様。

「森崎はずかちっ!」

わざと赤ちゃん語で言う男子。

「しっ…舌噛んだんですっ」

「でも、なんか侑也早くなった!!」


―ザッザッザッ―

空を飛びそうなくらい
綺麗な走り方で、見とれてた。

1位の人を抜かしてるのを見てなくて、ただ…

侑也様だけしか見えなかった…。