「やったー!!!!」
前田は嬉しそうに俺の腕にしがみついてきた。

「ひっつくなって。」
俺は付き合っても相変わらず冷たいままだ。


「ねえ、あたしのこと由美って呼んでね!!」
「ああ。」

めんどくせえ・・・・。



「ねえ・・・キスして?」
「は?」
「キス・・・して欲しいの。」

前田・・・じゃなくて由美は甘えたように上目使いで俺を見た。


「なんでだよ。」
「付き合ってたら・・・キスくらいするでしょ?」
「・・・。」
「奈々先生のこと好きならしといた方が身のためかもね?」


こいつ・・・卑怯だな。


「学校では無理。」
「なんで?先生に見られると思ってるの?」
そう言うと由美はくすくすと笑った。


「じゃあ今日一緒に帰ろ。その時にキスしてね。」
そう言うと教室に戻って行った。