その時、視界の端にきらりと何かが光って。


見れば蓮の鏡が何かに反射している。


のそりと動いて鏡を覗き込んだあたし。


鏡に映っていたのは、しなやかに跳ねる凜ちゃんと、


「旭を殺したのは、お前か!!!?」



反対側から交差するように飛び跳ねていた久遠と――


あたしは、目を瞠った。


そして鏡を引き寄せ、もっとよく覗き込んだ。


鏡が反射したのは、金色の王冠。


そして空を見上げる。


場面は丁度、凜ちゃんと旭の頭を片手に抱えた久遠が、1人の…制裁者(アリス)の白い制服を着た制裁者(アリス)を挟むようにして、攻撃を加えようとしている所で。


あたしは慌てて鏡を見る。


違う!!!


目と鏡の映し出しているものが違う!!!



「久遠、凜ちゃん、

ストップッッッ!!!!」



あたしは声を上げた。



「手出ししちゃ駄目!!!


それは――



クラウン王子だ!!!!」



そう、鏡に映っていたのは――

紛れもないぶちゃいくワンコで。



そして――



「久遠、手の中のそれは――

旭くんじゃない!!!



ただの髑髏だよ!!!」