「何で旭が!!!?」


悲痛じみた久遠の声が耳に響く。


理解出来ない。



――きゃはははははは。


どうして――…

久遠の手の中に…

千切れたような旭くんの頭があるのか。


どうして…

今にも笑いだしそうな顔をしているのか。


生きているのに…。

ちゃんといつも通りの生気溢れた顔なのに…。



――お父さんッッ!!!


脳裏に蘇るのは…


新聞を読んでいた父親の頭が落ちる瞬間。


――お母さんッッ!!!


泣いて見上げた母親の首が落ちる瞬間。


幾ら呼べども返ってこない…

無反応の肉体の器のこと。


いつもあたしに向けていた、

優しい"心"はそこには無くて。



ねえ…。


心は何処にあるの?

心は…頭にあるの?


頭が落ちてしまえば…

心が無くなってしまうの?


じゃあ頭があれば…

心があるっていうことなの?