繁華街から電車に乗って2駅。


住宅街のその駅にはとくにこれといって何もなく、駅前にちょっとしたスーパーとファミレスがあるだけの静かなところ。


龍二の家はそこから少し離れた団地だった。




「うち、ほんとせめーし汚いけどごめんなー!」



ガチャガチャと鍵を開けながらそう言う龍二。


狭いのはしょうがないとして汚いと思うんなら彼女呼ぶ前に掃除しろよなー。



開かれた玄関は想像以上に狭かったけどきちんと整理されていてお母さんがしっかりしてるんだなぁと思った。




「龍二、部屋汚くないじゃん?」


「そぉ?よかった!!」


4畳半の部屋はものが多すぎでごちゃごちゃしてる感じはあったけどまぁ汚いっほどでもない感じ。


座るとこがなくて必然的にベッドに腰をかけた。















「・・・・・・・・・・」










「ねぇ??」


「えッッッ??!!」





部屋に入ったきり何もしゃべらない龍二にしびれをきらしたあたし。




龍二は金髪にピアスだらけの耳と、ちょっとヤンキーちっくな見た目に反し、中身は結構純粋でオクテだったりする。



だからあたしたちはちゅー以上のことはまだしたことがない。





「なんか面白いこと、ないの??」




つまんないんですけど。



その言葉は呑み込んだものの、ちょっと意地悪すぎたかな?




そう思ってチラっと龍二を見ると、何か思いついたようでいきなりベッドから立ち上がってクローゼットの中から一冊のアルバムを持ち出してきた。