ドリンクバーのコーナーを目指し歩いていると向かいから見覚えのある制服。
お互いに丁度ドリンクバーの前で立ち止まった。
「こら。途中でメールとめるな!」
そう言ったのは紛れもなく千葉くんで。
なんでこう偶然って重なるんだろう。
「ごめん、メールあんまりしないほうがいいのかとおもって」
これは本音。
千葉くんはそれには答えずやけに多いグラスの乗ったトレーをカウンターの上にのせた。
「はい、これオレンジな!」
そう言ってなぜかグラスを渡される。
え、何?いれろってことかな??
いわれたとおりオレンジジュースをついでゆく。
「お前は気にすることないよ。まぁでもするか!」
突然話を戻したので一瞬意味がわからなかったが。
「あたし、龍二と別れるのっ!」
聞かれてもいないのにそんなことを口走ってしまった。
「知ってる。」
そう返した千葉くんはカルピスとコーラを混ぜ始めたのを見て気付いた。
いるんだ、龍二。
そんな不気味な飲み物が大好きだった龍二。
「じ、じゃあ!いっぱいメールしてもいいの???」
何、言ってるんだろう、あたし。
いつのまにか全てのグラスに注ぎ終わっていた千葉くんは重そうなトレーを持ち上げた。
「ふっ、いっぱいしたいんだ?どーぞ??」
意地悪そうに笑う千葉くんにこんなにはまっていくなんて、このときはまだ思いもしていなかった。