生まれて16年とちょっと。


絶世の美女ではないけどぶすってほどでもない、あたしはそんなごく普通の女の子だった。


悪くいえば八方美人だけど、当たり障りなく誰とでも仲良くできる性格のおかげで、知り合いや友達も多いほう。



さらに人懐っこくて甘えん坊なあたしには、これまでに何人か彼氏だってできたりもした。




多分、他人からしたら“リア充”の部類に入るのかもしれない。





だけど、なんでだろ。
何かが物足りない。





彼氏って何?


付き合うって何??




休み時間のたびにラインして、放課後一緒に帰ったり、休みの日にデートしたりプリクラを撮ったり。



こっそりお互いのお家に行ってちゅーしたり、いちゃいちゃしたり・・・・・。





そんなお決まりの流れも、一通りやり過ごすと飽きてきちゃうっていうのが本音。




「亜衣、今日さうち親いねーんだけど、くる??」




そしてあたしの13人目の彼氏、龍二もその一人だった。



「いいよ、いこ」



龍二とは、共通の友達の紹介で知り合った。



違う学校に通うあたしたちは、放課後に待ち合わせて繁華街で遊ぶのが日課だった。



ファーストフードで涼んでいたあたしたち。


少し残っていたシェイクをズズッと吸いながら目線だけ見上げると龍二は柄にもなく顔を赤くさせながら少し照れているようだった。