突然後ろから聞えてきた声に視線を向ければ、嫌そうな顔をしている耀太の姿
ただ、嫌そうな顔はどこか作っているっぽくて、どこか嬉しそうな感じも見て取れる
「うあ、耀太だ」
朱莉はチラリと視線を向けて、すぐにあたしへと視線を戻した
「目に毒」
余計な一言を残しながら
ああ、また始まるな、と確信めいたような予想は、やっぱり当たってしまう
「んだと?なら見てんじゃねーし」
こう言った後、口を横に大きく開けて、イーとでも効果音がつきそうなほど真っ白な歯を見せている耀太
だけど朱莉はというと
「蓮香先輩、今日もお綺麗ですね」
あたしのことを褒めていてくれた
だけど…
それは
「口説いてんじゃねーよ」
やっぱり耀太の声に邪魔される