誰一人として喋らない中、もう一度よく響く声が聞こえてくる
「今日はあたしの最後の日だ
あたしは今日、ここから抜ける」
この言葉が響いた時、男の中から鼻を啜る音が聞こえてきた
それ程、この日が悲しいのだ
「お前らはあたしに仲間というものを教えてくれた
そして
あたしのことを信じて、ついてきてくれた」
綺麗なソプラノボイスの持ち主は、ここまで言ってから顔をグッと上げた
そして再度口を開いた
「あたしの仲間になってくれてありがとう」
たったこれだけの言葉だった
だけど…
彼女だったからこそこの言葉は彼らの心に響いた
そして彼女が最後に残した言葉が…