彼のことは少し気になりながらも、あたしたちは特に話しかけることなく昼休みとなった
「あー!疲れたぁぁぁ」
そう言って手を頭の後ろで組んで気伸びをしているのは耀太だ
さわさわと少し暑い風邪が吹き、あたしたちの髪を揺らす
ここは屋上だ
「どうせ寝てたくせに」
耀太を呆れたような目で見ながらそう言ったのは蓮妬だ
「うっ…」
そう言われて言い返せない耀太も耀太だけど…
だけどすぐに何かを思い付いたのか、口を開いた
「授業の雰囲気がつかれ…」
「空気読めないお前が言うな」
耀太が言い終える前に爽の鋭い突っ込みが入る
それを聞いてニヤニヤ笑っているあたしたちは、誰も耀太を庇わない
否、だって庇える部分がないっていうか…
真実を述べられているわけだから誰も耀太を庇う良い言葉を思い付かない