「れーんーー、やーーーー」



大きな声であたしを呼ぶ



こんなことを平気で人前でやる馬鹿と言えばやっぱりこいつしか有り得ない



「…耀太」


ポツリと呟いただけのあたしの言葉は、屋上にいる人にも聞こえないぐらい小さな声



勿論、屋上から運動場へ聞える筈もなく…



「蓮哉ーーー!」



と、無視されたと勘違いしていそうな耀太の声がすぐに聞こえてきた


耀太の声は大きいため、屋上にいや皆に聞こえ、彼らもフェンス付近にやってきた



そして皆が一斉に何やってんだ、あいつ…とでも言いたげな顔をしていたことは言うまでもないだろう