そして、いつも煩いほどの屋上が静かだ



それだけで十分わかった



ドーナッツ形にできた人だかりの中心には、やっぱりいた



視線を向けると、そいつはあたしよりも先にこっちを見ていたのか、目がパッチリと合った




そして手を大きく振ってきた




それだけでキャァァという歓声がここまで聞こえてきた



塵も積もれば山となる…



ふとこの言葉が頭に浮かんだが、いくらなんでも女(の声)が“塵”だと言うのは失礼か、と思ったので、その考えを頭から消した